
3世代前のGPUが、中古市場で値上がりしています。RTX 3090の中古価格は、1月からおよそ5割上昇しました。同じ世代の他のカードが値下がりを続ける中だけに、異例の動きです。集計したガイドは、ゲーム用途がとっくに去った後もローカルAI需要だけが買い続けた結果だと分析しています[3]。前回は再熱の理由を数値で確認しました。今回は、その後の価格と購入の現場で何が起きているかを追います。
鍵はVRAM(グラフィックボードに搭載されたメモリ容量)です。ローカルLLM推論では、モデルがVRAMに収まるかどうかで、動くか動かないかが決まります。量子化(重みを圧縮してメモリを節約する仕組み)した34Bクラスのモデルは、20〜22GBが必要です。24GB積むRTX 3090は、これが動く最安の1枚になります。新しめの16GBカード、RTX 5070 Tiや5080では動かないと、購入ガイドは説明します[2]。7Bなら約4.5GB、13Bでも約8GB。70Bクラスになると約43GBで、24GBカード2枚か48GBのワークステーションGPUが要ります[2]。24GBという容量が、30B超えのモデルへの実質的な関門です[2]。
速度の数字もあります。代表的な量子化形式Q4_K_Mでの34Bモデル推論では、3090はおよそ12〜18トークン/秒です。RTX 4090の20〜25トークン/秒には及びません。それでも、対話が成立する目安とされる約8トークン/秒は十分に上回ります[2]。CodeLlama 34BやQwen 2.5 32Bも動かせます[2]。同じモデル容量は新品2,200ドルのRTX 4090でもまかなえますが、3090なら半額以下で到達できる計算です[2]。32Bの量子化モデルが動く最良の中古24GBカードと評する記事[7]をはじめ、24GBで何が動くかを整理したガイド[6]やおすすめモデル特集[8]、ベンチマークまとめ[5]も相次いで公開されています。
市場データは上昇を裏付けます。あるガイドが2026年8月19日時点のeBay落札68件を集計したところ、中古・開封品52枚の中央値は1,275ドル、全体の幅は1,099〜1,420ドルでした。リファービッシュ(整備済み)品16枚の中央値は1,400ドルで、1,099ドル未満の落札は1件もありません[3]。中古と整備済みで価格帯が二つに分かれ、中間がほとんどない点も特徴です[3]。今年5月に1,201ドルで落札された高級モデルROG Strix OCは、いまは通常品の中でも下位4分の1の価格帯です[3]。
RTX 3090を2枚使う構成では、1月に1,600〜1,700ドルだったGPU代が、現在は2,800〜3,100ドルに膨らみます[3]。ガイドはこの文脈で、NVLink(2枚のGPUを直結する専用接続)の制約や、後継の5090が品薄である事情にも触れています[3]。なお中古RTX 4090の価格も7月の約2,250ドルから10月には約2,860ドルへ上昇しており、上の世代でも同じ流れです[3]。
Redditのr/LocalLLaMAでも、「3090への熱狂を警告するあの投稿の意味がわかった」というスレッドが立ち上がりました[1]。投稿者自身は3090を持たず、かつてマイニング需要を抑えるために施された制限が解消され、LLMに有利になったのでは、という推測を添えてコミュニティの裏付けを求めています[1]。他のGPUにも効果が波及するかに関心が向けられています[1]。ただし、これは裏付けを募る推測の段階です[1]。
しかし、急騰の裏には落とし穴が広がっています。購入ガイドは中古市場に「地雷」があると警告します。マイニングで消耗したカード、死んだVRAMチップ、そして購入前には見分けにくいことを売り手も分かっているという構図です[2]。650ドルを切る価格のカードは、ほぼ例外なく何かしらの問題を抱えているとされ、安さだけでの購入は勧められていません[2]。同ガイドは安全に買うための点検チェックリストを用意しています[2]。マイニングカードの見分け方をテーマにした2026年版の購入ガイドも登場しました[4]。
それでも、カードあたり24GBを積む道としては最安であることに変わりはありません[3]。ただし同じガイドは「計算が簡単ではなくなった」と付け加えます[3]。購入目安に良品750〜850ドル、上限900ドルを掲げるガイドがある一方[2]、落札データの中央値は1,275ドル[3]。この開き自体が、市場が短期間で大きく動いたことをうかがわせます。減価が常識だったGPUが、ローカル推論需要によって増価に転じた事例として、3090の動向は今後も注目に値します。









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