続・Hermes追跡(5)、三層の内部構造とベンチマークの動き

📌 エグゼクティブサマリー
Nous ResearchのオープンソースエージェントHermes Agentの内部構造が、公式ドキュメントとDeepWikiで詳しく公開された。三層構造、70以上のツール、SQLiteによる記憶などが明らかになり、ローカル対クラウドのベンチマーク環境も整いつつある。ただし素材には実測スコアは含まれていない。

AIエージェントの中身は、実際どうなっているのでしょうか。Nous Researchのオープンソースエージェント「Hermes Agent」は、公式ドキュメントとDeepWikiの解析ページで、その内部構造を詳しく公開しています[1][2]。前回の記事では、5ドルのVPSからサーバーレスまで、動かす場所を選べる設計を取り上げました。今回は中身の作りと、性能を測る土台の動きです。

記事全文: Architecture | Hermes Agent
画像出典: 記事全文: Architecture | Hermes Agent
記事全文: Architecture Overview | NousResearch/hermes-agent | DeepWiki
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構造を一言でいえば、三層です。DeepWikiの解説によると、Hermes Agentは「インターフェース層」「コアエージェント層」「ツールと実行の層」に分かれています[2]。特徴としては、自律的な推論、ツールの使用、会話の記憶、自己改善の4つが挙げられています[2]。入り口も多彩です。公式のアーキテクチャ図には、CLI、ゲートウェイ、バッチランナー、APIサーバー、Pythonライブラリが並びます[1]。どの窓口から入っても、中央のAIAgentクラスにたどり着く設計です[2]。

AIAgentがエージェントの心臓部です。会話を反復ループとして管理し、人格や振る舞いの指針をシステムプロンプトに注入します[2]。そのうえでLLM(大規模言語モデル)を呼び出し、出力に含まれるツール呼び出しの指示を解析して実行につなげます[2]。呼び出しは、応答を少しずつ受け取るストリーミングと、まとめて受け取る方式の両方に対応します[2]。中心には、プロンプトの組み立て、接続先プロバイダーの選択、ツールの振り分けの3機能があります[1]。プロバイダーの選択は3種類のAPI方式に対応し、モデルごとの呼び出し形式の違いを吸収します[1]。

ツール層の規模も目を引きます。公式のアーキテクチャ図では、70以上のツールと28のツールセット(ツールのまとまり)が登録されています[1]。ターミナル操作、ブラウザ自動化、画像認識などの能力を、隔離された実行環境の上で抽象化して扱います[2]。記憶も作り込まれています。セッションデータはSQLite(軽量データベース)に保存され、読み書きの並行性を高めるWALモードで動きます[2]。全文検索の機能もあり、過去の会話を探せるようです[2]。

公式サイトは「Memory、Skills、Cronを備えたオープンソースAIエージェント」とうたいます[3]。Cronは決まった時刻に処理を自動実行する仕組みです。自律エージェントは、動き続けるほど会話が伸びます。そのままでは文脈が溢れるため、圧縮とキャッシュの仕組みがプロンプト組み立ての段階で働くようです[1]。

性能測定の側でも動きがあります。公式サイトには、ローカルモデルとクラウドAPIを比べるベンチマークページが用意されています[4]。GitHubでは、LLMとAIエージェントをローカルで採点できるUI「hermes-bench」が公開されました[5]。さらにArmalo AIというサイトは、Hermes Agent Benchmarkのハブページを設け、アーキテクチャと制御モデルの観点からの解説も始めています[5][5]。ここには前回の話とつながる点があります。5ドルのVPSでも動く設計なら、どのモデルを選ぶかが費用と性能を左右します。だからこそローカル対クラウドの比較が用意されたのだと思われます[4]。

しかし、今回集めた素材にはベンチマークの具体的なスコアが含まれていません。ローカルモデルとクラウドAPIが、どの項目でどれほど違うのかは、数値を確認できない以上、判断できません。素材には具体的な比較数値が見つかりませんでした。枠組みだけが先に整い、実測をめぐる議論はこれからという段階のようです。

前回は「どこで動くか」、今回は「どうできているか」を見ました。三層構造、70以上のツール、SQLiteの記憶、圧縮とキャッシュ。この組み合わせは、長時間自律的に動くエージェントの姿を具体的に示しています。hermes-benchやArmaloのハブで実測値が蓄積されれば、ローカルとクラウドの得失が数字で語れるようになるはずです。次の追跡では、その数字を確かめたいところです。

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