続報・RTX 5090の電源コネクタ溶損、修理店に2日で8枚

「修理店に、2日で8枚の“溶けたグラボ”が届いた」。こんな衝撃的な投稿がRedditで話題になっています[1]。対象はNVIDIAの最上位GPU「RTX 5090」と前世代「RTX 4090」です。いずれも電源コネクタが溶けたカードだといいます。この状況は海外メディアでも報じられ、話題が広がっています[5]。高性能GPUを支える電源接続の脆さが、改めて浮き彫りになった形です。前回の記事では、RTX 5090一枚で巨大モデルを動かす圧縮技術を取り上げました。今回はその裏側、電源まわりのトラブルがテーマです。

問題の「16ピンコネクタ」は、電源ユニットからGPUへ大電力を送るための細い端子が集まった部分です。実はこの溶損、RTX 5090で始まった話ではありません。2022年にはRTX 4090でも同様の報告が繰り返されていました[2]。つまり、この問題はすでに3年以上続いているのです。RTX 5090は2025年1月末に発売されました。しかしわずか10日後に、最初の溶損報告が出ています[2]。海外メディアWccftechの追跡記事によると、その後も報告はほぼ毎週続き、発売から1年経っても止まっていないといいます[2]。RedditにはGPU側だけでなく、電源ユニット側が溶けたという報告もあります[2]。

なぜなのでしょう。鍵は消費電力です。RTX 4090のカード全体の消費電力(TGP)は450Wでした。一方、RTX 5090は575Wに増えています[2]。同じ16ピンの接続のまま、125Wも増えたことになります。電流が増えるほど、端子は熱を持ちやすくなります。そこで最新規格ATX 3.1では「12V-2×6」という改良されたコネクタに移行しました。しかし、それでも問題は防げませんでした[2]。先端を黄色くして挿し込みを確認しやすくしたMSI独自のコネクタもありました。ただこれも、数週間で抜けかけてしまうという報告があります[2]。問題は、メーカー1社だけの話でもなさそうです。

数値で見ると、深刻さがはっきりします。DLSS 5(NVIDIAのAI描画補助技術の最新版)のテスト中に、16ピンが溶けた事例がありました[5]。計測ツールのGPU-Zが記録していたカード消費電力は、約613.5Wです[3]。定格の575Wを大きく超えています。高負荷のテストでは、定格を超える電力が記録されることもあるようです。別の報告では、テスト中にケーブルが約175°Cに達したといいます[3]。これはプラスチックや端子を傷めるのに十分な温度です。しかもこれらは、9月に相次いだ別々の報告です[3]。同じ週に3件目の溶損が確認され、海外メディアHardware Unboxedのテストでも故障が起きています[3]。

ただし、ここは冷静に見たい部分です。少数の故障報告だけで、「すべてのRTX 5090が危険」と結論づけることはできません[3]。一方で、熱くなっている、変色している、緩んでいるコネクタを見過ごすのも危険です[3]。修理の専門家の解説記事は、箱の型名ではなく実物の状態を見るべきだと強調しています[3]。対象はコネクタ・端子・ケーブル、そして基板の電源まわりです[3]。過度に恐れるのでも、見過ごすのでもなく、点検という現実的な対応が勧められています[3]。

この問題は、これから買う人にも関わってきます。たとえば、高価なRTX 5090と中古RTX 4090のどちらにするか迷っている人です。手持ちの電源とケーブルで組み立てようとしている人も、接続部分の状態確認が欠かせません[3]。挿し込みが不十分なまま使うことも、避けるべき状態のひとつです[3]。また、端子が黒ずんでいるのを見て、「見えるプラスチックを交換すれば十分」と思い込むのも禁物です[3]。損傷が基板側に及んでいる場合は、基板レベルの修理専門店への相談が勧められています[3]。

海外メディアも発売当初からこの問題を追いかけてきました[5]。修理センターには焼けたGPUが殺到しているとの報告もあります[5]。原因と対策を解説する記事も増えています[4]。毎週のように報告が更新される状況を見ると、すぐには収束しないのかもしれません[2]。AI推論や画像生成で強力な一枚となるRTX 5090。その性能を支える電源まわりの点検が、所有者にとって事実上の必須作業になっているようです。性能を追求する動きと、その代償としてのリスク。RTX 5090をめぐる話題は、両面から見ていく必要がありそうです。

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